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AIR-J'史

映画と映画祭と映画館と演劇とじゃがりこと旅行とライブが好きな札幌生まれのAIR-J'の記録

APOFES 2015の個人的順位付け

APOCシアターで2015年1月16日(金)~2月1日(日)に開催していた一人芝居のフェスティバル『APOFES 2015』。
知り合いの役者さんが参加するということと、1月は割かし時間が取れるということで、全日フリーチケットを購入して、グランドフィナーレを含む全21名の出演者の内、20名の一人芝居を観た。

軽い気持ちで観ようとしていたのだが、1時間弱という尺で一人というのは観客の体力がかなり要ることを悟った。しかも僕が最初に観た日は昼から夜まで5本。少々の寝不足もあってか、辛さもあった。体調を万全にしない状態で観たことを出演者には申し訳なかったと思っている。
絶対出演者のほうが大変だろうに。そして、音響さん、照明さんも一部を除いてほとんどの公演に携わっていたと聞いて、最大で3日間7ステージでちょろっと曲を流したことがある程度の僕では全然格が違うと思った。

「お疲れ様でした!」と心の底から言いたい。音響操作で関わって知ってるメンバーがいたのと、知っている劇場だからこそ打ち上げに参加したけれど、あの場では完全ただの観客であったし、評論家でもないからな~んか申し訳なさがどこかであった気がしなくもない。そう思いつつも、役者さん達の芝居に対する熱い熱い思いを耳にするだけでも、僕は幸せでならなかったのではあるが。

演じよう、というのはとうに辞めた。1回だけ演劇のワークショップに参加してみて、僕は違うな、と思ったからだ。やはり裏方で関わりたい。でも、裏方にはスペシャリストがたくさんたくさんいる。この域に達するまでいつになるか、そもそもそういうスペシャリストになるかは定かではないけれど。まあでも裏方業は雑用程度でもそれなりにやってきてるので、これからも続けてはいこうと思う。だから、今回は一人芝居フェスティバルに観客と参加したけれど、ますます演劇の裏方をもっともっとやりたいと思った。

*****

というわけで前置きが長くなったが、『APOFES 2015』のAIR-J'的順位発表。
残念ながら長内那由多さんの公演だけ観られなかったので省いている。
あと、検索に引っかかりたくないのと、評論家でもない自分が偉そうに語るのが申し訳ないと思ってるので出演者名と公演名は書かず、とある規則に従ってこちらで勝手につけたアルファベット(A~T)で表記する。まあでも、内容書くのでわかっちゃうけれどもね…。
知ってる出演者がいても贔屓目無しでランキングしてます、はい。
あと、多少失礼なことを書いてるかもしれません。ご了承下さい。

1位 N
僕の中で一番ヒットした公演。最初は普通の双子の姉妹の話だな~…と思っていたら、姉の告白でまさかの展開。それでも笑ったのに、更に彼女らの兄が登場して思いもかけない展開が更に待っていて爆笑した。2回目にナンパした相手が双子の妹、とはよくある話だが、彼女二人より前にナンパされた兄はどんだけ女っぽいんだよ…!というこのシュールさがたまらない。
演じていた役者のふくよかな体格と大きな目が面白さを引き出していた。
脚本、演者共に一番筋が通っていて、感心した公演。


2位 M
イケメン最年少、そしてど変態。もう僕にとってはヨダレもん。
ポケットの中からじゃらじゃらとヘアピンが出てきたときはもうゾクゾクっと気持ち悪さが全開で心地よいドン引き(?)だったけれど、体操着とか紅白帽とか学ランとかはさすが若さがあってかしっくりきている。
普通の姿は本当に爽やかな好青年。打ち上げの時、年齢を言ったときの女性陣からどよめきの声を僕は聞き逃してはいない。
世代なのに、途中で挟まれるアニメネタがわからなかったのがちと残念だったところ。


3位 I
いやー、さすがにこの人はプロだ!と思わせられた。
他の出演者でさえもこの人の芝居に唸ってしまうのは当然のことだろう。
ストーリとしては確実に破綻してた、気がする(始めっからそういう味なのだろうとは思う)。ラストでやっとこさ公演タイトルの意味がなされる、という仕組みでもなくはないが、展開されるストーリーが追えなくて「??」と混乱してしまったのが正直なところ。
でも、基本的に語りだけで観客の笑いをどんどん引き出していけてるので、素晴らしい腕の持ち主だということを感じ取った。これぞ一人芝居なのだ、と。


4位 D
生着替え、ごちそうさま(おい
それでなくてもダンディーな人だと思う。
最後以外は、主人公ではなく主人公に接近していた人を演じるというお芝居。
このスタイルも面白かったし、最後の最後で主人公が登場してきて「特別じゃなく生きようとしたけれど、やはり普通で良い」という旨の台詞で、昨今の特別な人間になるサクセスストーリーと逆行した優しいラストも好きだった。
若干、ギャグで笑えなかったところがあったのは否めない。


5位 G
この人もプロ。あとで教えてもらったのだが、まさかwikipediaにページがあるとは。
動きがしなやかで、手とか足とか、そして声とか。この妖艶さはただならぬものを感じた。
劇中でありながらダンスシーンの後で観客から拍手が出てくるのもよくわかる。
登場人物が複数出てきたところあたりから、その切り替えがせわしなく感じてしまったのがちょっと残念に思えた。でも、そこだけ。
観てきた20名の中では一番動きの曲線美が素晴らしかった役者さん。


6位 A
プロ。いや、間違いなくプロだけれど、一人芝居でもプロだということをちゃんと見せつけてくれた。
三本立ての中で全て映画の小ネタをちょこちょこ挟んでいた。映画に詳しい人ならもうそりゃどっかんどっかん笑えるだろう。かく言う僕もわかったものはわかったのだが、いかんせんまだ観てない映画が多すぎて、この小ネタの多くについてけなかったのが残念だった。映画に携わる&映画をよく観てると宣言してる身として、これは自分の反省として心に留めておきたい。
正直に言ってしまうと、期待値を上げたからこそ、期待値無しで観た公演の余韻に敵わなかったのが本音。途中から出てくるあの大量の汗は辛そうにしか見えなくて、いっぱいいっぱいだったのかなぁ…とか思ってしまったり。


7位 Q
この人が出演する公演を観た時はどれもビッチな役という印象しかなかったので、和服で登場して、切なさ溢れる悲恋の話、そして三味線生演奏付(おい一人じゃないのかい!…というのはこの際置いておこう。生演奏でも三味線弾きは演じてはいない、と考えれば良い)という素晴らしい演出でこんなにも清楚な役柄もやれるのか…という感動を覚えた。なんて可愛らしいことか。いや、ビッチな役でもこの人自体が可愛いんだけれども。
役柄上おっちょこちょいでうるさくて音痴なところも見事にハマっていて、新たな一面を見られて本当に良かった。
大勢の観客の中、すすり泣く声がちらほら聞こえるのがよくわかる。僕は泣けなかったのだが。


8位 J
なじみのある役者さん。やはりあのお腹の脂肪とあのモジャモジャ頭に安心感を抱くのはいつものことなんだな、と。
僕が観た時は、一生懸命演じるあまりバスローブが徐々にはだけていったり、元々の多汗症が更にヒートアップしてびしょびしょになっていったりしているのだけれど、その偶発的なものでさえも笑いを誘えてるのはすごいと僕は思っている。
暗転後にガンタンクになっちゃったのは、そりゃ笑うでしょ。その前のザリガニも妙に可愛いし。いつもの劇団本公演より道具がしっかりしていた。
ラストの外国人になっちゃうのだけ、蛇足かな、と。それまでの変身が笑えたので、余計なラストに思えた。


9位 R
パワーがあった!明るいのにとんでもなくブラック。こういうのは僕の好きなテイスト。
この人が登場した時と、声のいきなりの張りは笑うに値する。
…謝らなければならないのは、公演の内容をあまり覚えていないこと。


10位 H
笑いを中心にしている公演が多い中で、真面目な物語で、且つ女性らしさが一番滲み出ていた公演。既婚男と不倫してウジウジしてないでさっさと別れろよこのクソ女!…とか心の中で苛立っていたのはこの役に対してであって決して役者さんにではない。
しかしそう思わせるほどの綺麗で「女」な役者さんであったことは確か。
精神を回復させるまでに丸々一曲フルで流しちゃうのはちと長くないか?…とは思った。しかし、既婚男、またはその奥さんを殺しにいく、もしくは自殺するのではないか、と勝手に予想していた僕は、明るいラストになった瞬間、自分の心の荒み具合を反省しようと心に誓っのであった。爽快。


11位 P
過去の自分のテープを聞いて、語る公演。現在の年齢はもう若くなくて体力が落ちてる設定だからか、過去のテープからの聞こえる台詞のほうが、生で語る台詞の割合より占めている。むしゃくしゃしていて自暴自棄な感じだけをほぼはっきりした台詞無しでわからせようというのは難しいからこそ、それがちゃんと出来ていたから素晴らしい。ただし、ストーリーとしてはイマイチ何が言いたかったのかがわからなかった…。(もしくは僕の頭が悪くて理解できてなかっただけか)


12位 C
あまり期待していなかった割には面白かった。明らかに色物だったけれど内容は至ってちゃんとしているので観られた。色物だからこそのストーリーという感じ。
ギャグに関しては、世代がちと古くて、ピンとこなかった。出てくる名前はわかるんだけれども、そこは、ね…。


13位 L
HやPと同じく、こちらもまあまあ真面目な作品。…だけれど、前半はややわかりにくかったで、序盤で笑いにもっていくのか、と思いきやそうでなくなってきて、どっちの方向性にしたいかがわからなくて迷ってしまい、最後になってこいつは狂っている人間だとわかってからやっとこさ納得した。
ラジオ体操の爽やかな音楽とラストのズドーンとくる重さのギャップは好き。だからこそ、わかりにくいのは嫌いではないが、もう少しだけわかりやすかったら面白かったかなぁ、と思ってはいる。


14位 F
ピン芸人だけあって、やり慣れてる感じはある。しかし、思ったよりは発するギャグが普通すぎて、周りで笑っていた人はいたけれど僕の感性にはあまり合わなかった。笑えるところは笑える。この人のギャグセンスが僕の肌に合わなかっただけ。と思いたい。


15位 K
いつも思うのが、丁寧に話を作る人だよなぁ、と。この人の公演にはスタッフとして関わったことがあるけれど、笑いがあってもド直球に感動話だから心に刺さるものがあるのだろう。
人間だけかと思ったら動物が出てきて喋ったところは笑えた。
ただ。動物の話は感動できるとはよく言われるけれど、別に動物が嫌いなわけではなくむしろ好きなほうだけれど、動物の感動話にはあまり心に刺さらない僕にとっては同情ポイントがなくて、あと、一生懸命な笑わようとしているんだけれど、そのほとんどが僕は笑えなかった。


16位 E
くだらなさいっぱい。コンニャクが出てきたところが一番笑えた。笑えたのはそれくらいだったかな、と。
そうだ、最後の役者紹介でいちいちはけて衣装を急いで着替えて、役者は自分というのも面白かったなぁ。


17位 O
今回、脱ぎ系がちょこちょこある中で、このダサいレオタード姿を初っ端から見せつけてくれたことには感動を覚えた。ただし、内容はそれ以外はあまり笑いどころは少なく、ラストで見せるあの手も、公演タイトルがやっとわかる仕組みではあるけどそこまで効き目がなかったかな、と思えた。


18位 B
たぶん面白いはずなんだと思う。使われるベビメタの曲も好きだし、ベースとなる話も超有名なロミジュリで、去年それをベースとした演劇バトルを観てきたからこそわかるものであったし。
しかし、大変だったのか、台詞のいくつかが重複してたり、早口で台詞が聞き取りにくかったのが難だった。ちょっと古典的な口調であればあるほど、もう少しテンポを緩めても良かったんじゃないかな。理解するのに一段階おかなくてはならないわけで。


19位 T
わかりにく展開の中で、パンツ姿になった途端にパッと目が冴えてくるあたりは僕の助平な性か。
ちょっと内容がつかめてなくてストーリーをほぼ記憶できていないのが申し訳ない。


20位 S
始まり方と終わり方の明るさとは対照的に、劇の中身はものすごーく真面目な物語。わかりやすいが真面目すぎてしまって、笑いどころも特に設定してないから飽きてしまっている。
飛行機によく乗る身としても、ちょうど某航空会社の民事再生法申請のタイムリーなニュースがあったところも、題材としては良かったのだけれどもなぁ、と。
あと、序盤で足がすごく震えていたのを覚えている。声まで影響していなかったのでそこは良かった。
声はよく通る方だし、眼鏡姿が素敵な青年なので、また別のものを観てはみたい。


*****


順位付けしたにも関わらずそれぞれの感想の内容量にムラがあるのは、プロ評論家でもプロ演出家でもないのでご容赦を。
「じゃあお前は面白い一人芝居できるんかい!」とか「じゃあお前は面白い一人芝居が書けるんかい!」とか言われたらそりゃ出来ないさ、とはっきり言う。

実にバラエティが豊かだったのは事実。順位付けはしたけれど一切ダメだったというものは無かった。ランク付けし難い部分もあったし。

*****

APOFES 2015の出演者、演出、他スタッフの皆さま、お疲れ様でした。
この記事を偶然読んでしまった出演関係者の皆様、あまり気になさらないでください。
個人の意見は個人の意見、別の方だったら全然違う感想を持ってることでしょう。
でも、そんな僕の本音の本音をもっと聞きたいとおっしゃるならば、あの場で語れなかったけれど、語ります。

ここで初めて出会った役者さんたちが出演する他のお芝居も、機会があれば観たいです。
じゃんじゃん僕にお誘いの案内を送りつけて下さい。時間あれば観ます。

では。